100人殺るまで帰れません

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 そして気がつけば担任らの姿は消え、顔見知りの教師の代わりに屈強な体つきの大人が体育館の壁際に二十人ほど並んでいた。 「いいですか、この学年は約三十五人が六クラス、ここにはそのうちA、B、Cの三クラスの生徒に集まってもらっています。他三クラスはまた別施設に。こちらは欠席なく、今百三人の生徒がいます。これから皆さんは教室に入ってもらいます。そしてそこで、殺し合いをしてもらいます」  一気に生徒がざわつき出した。 「落雷、落石など自然現象の類は殺人には含みません。クラスをまたいで殺して構いません。私を含め『教師役』はいますが、これはサッカーで言うところの審判と同じです。そして終了の条件は一つ。合計百人が殺されることです。時間制限は今夜零時まで。途中での脱走者はその時点で殺します。また零時までに百人死んでいなかったら皆殺しです」 「ふざけるな! 付き合ってられるか!」  一人の男子生徒が立ち上がった。そして体育館の外へ走り出す。  そして一歩外へ出た瞬間、ドン!! と凄まじい音を立てて、その体が爆散した。  校長がまた話し出す。 「一学期のうちに、実は皆さんの体には爆弾が仕掛けてあります。今のはそこで起爆しましたが、今後はこの廃校の敷地から出た時点で爆破します。では頑張って、皆で百人殺しましょう!」 ■     
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