100人殺るまで帰れません

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 生徒たちは言われるがまま、校舎の二階へ上がり、普段と同じクラス分けで三つの教室に入れられた。教師役たちはそれを見て、無言で立ち去った。生徒だけが見知らぬ教室で着席する。  廊下にも、教室にも、電光掲示板が掲げられていた。全員が着席すると、そこに「0」の文字が灯る。  そして、スピーカーが鳴り出した。校長の声だ。 『皆さん、机の中を見てください。ボタンがありますね』  A組で隣同士の席である涼一と溌七は、目を合わせながら天板の下の物入れを探った。前方の席の翔も、こちらをちらちら見ながら同様にする。  確かにそこには、クイズ番組に使われそうな大ぶりなボタンが、平べったいプラスチックの箱の上についていた。 『それを私の号令に合わせて押すと、改めてゲームスタートです。こちらの合図通りに押さないと即爆破です。なおこの学校は先週までは現役だったので、水道やトイレその他の設備は大抵使えます。ただし、水分補給やトイレに行く生徒を待ち伏せるような行為は、身も蓋もなくなるので禁止ですよ。それでは3、2、1、ポチ!』  生徒たちは慌ててボタンを叩いた。  その瞬間、爆発音が響く。 「きゃああああ!!」 「ぎゃあっ!」  悲鳴と血しぶきが教室に舞った。生徒たちの何人かが、爆破されたのだ。     
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