前に進めない side咲耶

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「清宮さん、モルモットはどんな感じ?」 いわゆる風邪菌を大量に投与したモルモットに新薬を投与し、そのお世話をしてるわたし。 「回復している気がします」 近年、咳の風邪が流行っていて、それに効く新薬を開発するために日夜研究を続けていた。 咳の風邪は長引く 喉の乾燥も原因だけど、喉に炎症を起こすウイルスがいて、それを培養し、死滅させる方法を探してた。 須賀主任にわたしの手がけた研究をサポートしてくれたお陰で、新薬としての有効性が確認がとれた。 これから、人による臨床試験をし、その結果次第で新薬として認められる。 須賀さんは、転任してきて、わたし以外の他の研究員の研究に対してもさりげなくアドバイスをし新薬としての有効性を出した。 そして、いつも雑務系の仕事をわたしが全てこなしていたのを、何も言わずに手伝ってくれた。 他の研究員が使ったままにして溜まるビーカーにフラスコにシャーレ…。 ゴム手袋をして、消毒液につけた物を取り出して洗浄し、専用洗機に入れる。 須賀主任が手伝ってくれるから、退社が30分早まった。
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