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でも、拓人は引き下がらない。
いつもそうだった。
それで、流されて元鞘に収まり、また浮気されて別れてのサイクルだった。
このサイクルに流されたらいけない。
恋人としてはいられなくても、15年間も側に居た人だから、友達として居たかった。
でも、無理かもしれない
「拓人、こんなところでいう話ではないけどね。拓人が別れを承諾してくれないから仕方がない。
拓人、拓人はわたしを最後まで抱けなかったよね?
それで、結婚なんてできるの?」
わたしと拓人は…長い期間付き合って居たけれど、実は、最後まではしてない。
拓人が、わたしを触れるのを躊躇い、できないでいた。
「咲耶、俺、咲耶の事を本気で愛してた。咲耶の事が好きすぎて、それで咲耶の側にいるのが辛かった。浮気を繰り返した理由は、咲耶を汚したくなくて、要求を外で放出してた。俺、きれいなお前を抱く事がいけない事に思えて、どうしても、思うようにできなかった」
拓人の浮気の理由、理解が難しかった。
わたしを汚したくなくて、わたしを抱かないために他の人を抱く…。
意味がわからない。
「拓人、わたし達、結婚はしない方がいい」
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