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「拓人、ごめんなさい。わたし、拓人の事、もう友達としか思えない」
断られる気はしていた。
でも、別れてもいつも寄りを戻せていたからなんとかなると、何度も何度も『浮気はしないから結婚してくれ』と繰り返し、咲耶に復縁を求めた。
咲耶も『友達としか思えない』と何度も何度も繰り返して言い頭を下げ続けた。
「拓人、こんなところでいう話ではないけどね。拓人が別れを承諾してくれないから仕方がない。
拓人、拓人はわたしを最後まで抱けなかったよね?
それで、結婚なんてできるの?」
俺は、他の女とは最後までやっても、咲耶とは緊張してしまい、できなかった。
「咲耶、俺、咲耶の事を本気で愛してた。咲耶の事が好きすぎて、それで咲耶の側にいるのが辛かった。浮気を繰り返した理由は、咲耶を汚したくなくて、要求を外で放出してた。俺、きれいなお前を抱く事がいけない事に思えて、どうしても、思うようにできなかった」
「拓人、わたし達、結婚はしない方がいい」
咲耶と最後までできない。
咲耶は気にしていた。
今までは咲耶を汚したくなくてできなかったけれど、咲耶と寄りを戻す事ができたら、俺は咲耶しかいないから、咲耶と最後までやって、咲耶を大切に愛するつもりだった。
でも、復縁するたびに咲耶を抱こうとし、できなかった俺…。
「そういう事。拓人、ごめんね。さようなら」
咲耶は、そう言って、去って行った。
咲耶と完全に終わってしまった。
咲耶はその後、須賀主任と付き合い始めた。
須賀主任の隣で幸せそうに笑顔を見せてる咲耶。
そんな咲耶を見るのが辛くて、俺は会社を去った。
咲耶のいない地へいくために。
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