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プロローグ
今日は朝から散々な日だった。
どういう訳だか目覚まし時計が鳴ってくれず、俺が目覚めた時には既に時間は八時前になっていた。
飛び起きた俺は大急ぎで準備をして、朝飯も食わずに学校へとひたすら、朝っぱらから汗だくになりながら自転車をこいだ。
出席確認時にはなんとか滑り込みセーフを決め込めたが、焦って出てきたがため、1限の科目の教科書を家に忘れてきてしまっていた。
しかも今日に限って忘れ物にうるさい高松という、薄らハゲ教師の授業であった。
俺はみんなの前で立たされ、クドクドと叱られたあげく、授業後の片付けまで手伝うハメになってしまった。
お気に入りの女子が何かを忘れた時にはヘラヘラと笑って許すクセに、俺たち男子がやるとこれだ。
その後も俺の不幸は続いた。
体育の授業では転んで体育着を破くし、昼休みには学食の券売機の下に小銭落としてしまい後ろに並んでいる人達に舌打ちをされてしまった。
そして極めつけは、今俺の目の前に立っている男、奴に出会ってしまったことだ。
奴の名前は真田。
俺の一つ上の先輩だ。
別に先輩と出会っただけだろう?
たしかにめんどくさいかもしれないけど...と今あなたは思ったかもしれない。
そう、それが"普通"の先輩であるならばそうだろうな。
それでは身の回りにいる一番めんどうくさい人間を思い浮かべてくれ。
その人間のめんどくささをザッと六倍にした男がこの真田という男だ。
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