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えっと...印鑑印鑑...。
印鑑はいつも玄関の靴箱の上にある黄色い箱の中に入っている。
俺は玄関へ行き箱の中を覗いた。
しかしそこに印鑑はない。
え...という事は...。
俺は踵を返し、大急ぎでリビングに向かうと卓上にある木のカゴの中を覗いた。
そこには紛れもなく、印鑑が入っていた。
はっはっはっ...まじかよ...。
玄関の外で宅急便の人を待たせているのも忘れて俺はあっけにとられてしまった。
俺は平静をとにかく必死で演じ、宅急便のお兄さんから荷物を受け取った。
しかし体はやはり正直なもので、押した印鑑はブレブレだった。
受け取った荷物をリビングまで運ぶと、俺はダンボールを開け始めた。
いつもなら人の荷物を勝手に開けるのは気がひけるのだが、今はそれどころではなかった。
とにかく荷物の中身を確認したかった。
だって本に書いてあった通り本当に帽子だったら...。
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