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舎碌古書店と神さま
ギシギシといかにもな音を立てて扉は閉まった。
「わっ。すっげぇ...。」
思わず声に出てしまった。
あっちにもこっちにも、とにかく沢山の本棚が部屋中を埋め尽くしていて、角に置いてある丸いテーブルの上にも本が山積みになっていた。
もともと本自体は好きな方なので、まるで活字が織り成すワンダーランドに紛れ込んだような気分になり、おのずと気分は高揚していった。
キョロキョロと辺りを見渡してみたが、客はもちろん店員と思しき人影も見えない。
だが扉に鍵がかかっていたわけではないので、店自体は空いているはずだ。
時間にも余裕があるので、俺は端の棚からそれぞれ物色していくことにした。
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