和賀屋に潜入!

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和賀屋に潜入!

 ネットで、和賀久美って美人女将が運営している和賀屋ってホテルが、三春城跡の近くにあることを知った。大志多山にあり、舞鶴城とも呼ばれている。  1504年に戦国大名の田村義顕が築いたらしい。  田村氏は義顕・隆顕・清顕と3代続くが、1586年に清顕が急死、一人娘の愛姫の夫である伊達政宗を後見に清顕の甥、宗顕が城主となり、政宗の南奥羽制覇を支えた。  1590年、豊臣秀吉の奥羽仕置きによって田村氏は没落した。三春は伊達領になるが、蒲生氏郷の領地に組み入れられた。蒲生氏の重臣が三春城代になり、石垣を築いたりした。1627年に蒲生忠郷が没すると、蒲生氏の時代は終わり、加藤嘉明の三男・明利、さらに翌年には嘉明の娘の子である松下長綱が3万石の三春城主となる。  1644年に松平氏が改易されると、1645年に秋田俊季が5万5千石で三春藩主になると、明治維新まで秋田氏11代の居城となった。  1785年の天明5年の大火で城がほぼ全焼、戊辰戦争では、三春藩は奥羽列藩同盟に加わる。新政府軍の攻撃を受ける前に無血開城する。  僕は漢字でなく歴史にも詳しい。  和賀屋は純和風の旅館だ。  僕は、フロントで久美に尋ねた。 「紀代美って音楽家を知ってますか?」  僕はドキドキ人の名前を忘れる。  世の中完全無欠の人間はそうそういない。  親父も頭はいいが、銃の扱いはあまりうまくない。 「ああ、逮捕されましたよね?ニュースで見ました」  ドキドキ、犯人が逮捕されても報道されない場合がある。共犯者に逃げられてしまうからだ。 「ええ、私も見ました」 「最近、物騒な世の中になりましたね?大阪ではゾンビが現れました」 「あぁ、ミナミでのあの事件?あれは怖かった」 「警察の方ですか?」 「いえ、ミステリーに興味があるものでして」  彼女は微笑した。  警察じゃなくてよかった、とでも思ってるのか? 「私もコナン君は好きですよ」 「確かにあれは面白い」 「お泊まりになられるんですか?」 「ええ、一泊二日で」  勿体ないと思った。家はすぐ近くだし?9000円もする。ルートインなら6000円で朝食がつく。  旅館の中を調べないといけないので仕方ないが。  宿泊リストに名前と職業を書いた。 「まぁ、塾の先生なんですか?うちの娘もちょうど高校受験を控えているんですのよ?」  子供いるんだ?娘も美人なんだろうな?    
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