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本がない!
嶋山金吾が派遣されてきた。
喜多方署の刑事課長だったが、福島県警に栄転になった。
「部長、捜査から外させて頂きます、捜査に私情は禁物ですから」
大地金三郎って学者肌の男が突然、騒ぎ始めた。
「ほっ、本がない!」
部屋から盗まれていたのはアガサ・クリスティの『火曜クラブ』って本だ。
火曜クラブ(火曜ナイトクラブ)
サー・ヘンリーの話。夫妻とコンパニオンの3人が夕食後に苦しみだし、妻はそのまま帰らぬ人に。当初、食中毒事件と思われていたが妻の体内からは砒素が検出される。
アスタルテの祠(アスターテの祠)
ペンダー博士の話。不吉な噂を付き纏う屋敷を買った男。招待された従兄が、いわく付きのアスタルテの祠で皆を前に刺殺される。
金塊事件(金塊)
レイモンドの話。レイモンドはコーンウォールの海岸に金塊を積んだ沈没船が眠っていると聞き、そこに向かう。
舗道の血痕(血に染まった敷石)
ジョイスの話。コーンウォールの漁村に滞在していたジョイスは白い敷石の舗道に点々とした赤い血が付いていることに気づく。そして、村の浜辺で殺人事件が起きる。
動機対機会
ペサリックの話。金庫で厳重に預かっていた遺言状が白紙に変わっていた。すりかえる動機がある者には機会が無く、機会がある者には動機が無い。
聖ペテロの指あと
マープルの話。マープルの姪に夫殺しの噂がたった。マープルは姪の名誉を守るため、真相を調べる。
青いゼラニウム(青いジェラニウム)
バントリー大佐の話。大佐の友人の妻は心霊術師に死を予言されていた。そして満月の夜、予言通りに死んだ彼女の部屋の壁紙のゼラニウムは一輪だけ青く変わっていた。
二人の老嬢(お相手役)
ロイド医師の話。海外保養地で資産家とその話し相手というよく似た2人の老嬢を見かける。そして海水浴中に片方が溺死するが、死んだのは話し相手の方だった。
四人の容疑者
サー・ヘンリーの話。ローゼン博士はある犯罪組織に潜入して潰したが、それによって報復を受け殺された。容疑者は同居していた4人に絞られたが、どうやって外部から指令を受けたのかという謎が残っていた。
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