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その友人たちの叫びに反応して金髪の少女、リーンは寝そべっている状態から起き上がる。そして周りの状況を見て顔を赤らめながらだらだらと汗を流す。
本来彼女の考えではこっそりと式に潜り込むはずだったが思った以上にここまで来るのに手間取ったことである意味最悪のタイミングで式に参加してしまったのだ。人前が苦手なリーンにして見れば今のこの状況は羞恥の極みなのである。
「あ、あわわわわ…………ど、どうし…………!」
「出席番号25番、リーンだな?式は始まっているあちらにある自分の席に今すぐ行け」
「は、はい!!」
完全にパニック状態になっていたリーンだったが思わぬところから助け舟が出た。それは彼女の姿を確認してここまでやってきたジャスミンは彼女の前に立つと新入生たちが座っている席群を指さしそこに行くことを促す。リーンもそれによって少しは冷静さを取り戻したのか小走りで走っていく。その走る彼女を見て在校生たちの反応は二つに分かれた。
「あんなチビが最優秀生?ホント外れじゃん」
「おどおどしてるし、全然圧がないっていうか」
リーンの表面的な姿を見てより一層今年の新入生の出来の悪さを考える者たち、そしてもう一つは、
「ねぇ、あの腕章って……………まさか………!」
「うん、アキ先輩やナーシャ先輩が付けてるのと似てる…………!!」
「じゃああの子……………生徒会執行部の……………!」
彼女の腕章を見てそれが意味することに驚き慄く者たちだった。
しかしリーンはそんなことには気づかず自分の席へと近づいてくる。ちょうど自分の近くに座るクラスメイトが手を招いてくれているおかげで分かりやすかったが次の瞬間彼女の視線の延長線上にあるジュリアが立つ壇上がいきなりまばゆく光り始めた。
そのいきなりの変化にリーンは立ち止まって目をつぶり、他の生徒達も腕や手を使ってその光から自分の目をガードする。光が収まったところでリーンは目を開けるとそこにはさっきまで壇上にいた少女、ジュリアが立っていたのだった。あまりにも突然現れたため思わずリーンは小さな悲鳴を上げ尻餅をついてしまう。
その転んだ彼女を見るジュリアの表情は笑っていたが目はどこまでも笑っておらず彼女の腕章を凝視していた。しかしあまりにもこのままでは怪しまれるためリーンの手を引っ張り立ち上がらせ声を掛ける。
『………大丈夫?ええっと、リーンさん?どこか痛むところはない?』
『は、はい!すみませんありがとうございます!………えっと、先輩のお名前は……?』
『………ジュリア・ノルステムですよ。学院の最高機関学生会の代表を務めています』
リーンの純粋な質問に対して一瞬顔をしかめ笑顔を引きつりながらも答える。もちろんリーンは入学式に途中参加だったためジュリアの名前を知らないのは当然であるが彼所が腕につけている腕章のせいによってそんなことなど関係なくジュリアはいら立ってしまう。そのせいか未だに拡声魔法具が発動していることにも気が付いていなかった。
そんな彼女の感情に対してリーンは一切気づかずジュリアの自己紹介で疑問に思ったことを思わず聞いてしまっていた。
それが、学生会代表の地雷だと気づかずに。
『………え?学院の最高組織って生徒会執行部じゃないんですか?』
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