エピローグ

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それに、20歳を過ぎた辺りから、体調の変化を感じていた。 ヴァンパイアは、一定の年齢に達すると……成長が止まる。 自分の意思でコントロールも出来る。 ミックスの俺にも、成長速度の変化が現れたら……周囲が疑惑を向ける前に引っ越ししなければならない。 純血種と違い、俗に言う不老不死ではないらしいが、人間と比べると……若く見えるとか若作りだとかの次元じゃなくなる。 人間の中で生きていくには、その事実を誤魔化す為に全国各地を移り住む生活になるのだ。 母の死後、長年支えてくれた阿部園子も、『恩師の声掛けで地域医療に従事する事にした』とか、それらしい理由を付けて東京を離れた。 周囲の記憶から消える為、30年は戻らない筈だ。
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