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低体温状態は、血が足りないと身体が求めているからに他ならない。
このままだと、身体が勝手にスリープに入る準備を初めてしまう。
好む、好まないに関わらず、俺の中にヴァンパイアの血が流れているーーーそう、突き付けられる。
俺の身体は、人で言うところの成人に達した辺りから、ヴァンパイアの気質が強く出始めた。
初めて低体温状態になったのは、まだ幼い保育園児だった頃、阿部園子のいる病院に行った時だ。
母はその時に、人工の血液がある事を知った。
母の目の前で、血を貪る様に飲む俺を見て……母は何を思っただろうか。
今日は金曜日。
仕事帰りのサラリーマンやOLが、気軽にちょっと呑んで帰ろうと次々とバー暁月に入って来ていた。
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