新月

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しかも月末。 給料日後の金曜日の夜ともなれば、掻き入れ時だ。 それは十分に分かっていたけれど、いよいよ体調がマズい状態になっている。 血が欲しい欲求を誤魔化す為、チョコレートや赤ワインを口にして来たが、もう限界が来ていた。 早退して……冷凍庫にストックしてある血液を飲まなければならない状態だ。 「店長……すいません」 やばい。 頭を下げただけで足元がふらつく。 「あぁ、いいよ。八雲の顔色気になって、みんなお酒呑んでられなくなっちゃうからね」
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