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「僕が送って行ってあげよう」
目が……やばい。
明らかな欲望に染まった目で、舐め回す様な視線が絡み付く様で……気持ちが悪い。
常連の……こいつは、俺の肩に腕を回し、強引に歩き出した。
「家、遠かったよね? 体調が悪いんなら、休んで行った方がいいよ」
こいつが行こうとしているのがラブホだと分かって足を止めようとしたけれど、成人男子にしては華奢な俺は、半分抱えられる様に運ばれてしまう。
パワーを使って逃げようとしたけれど、スリープしそうな程の体力では、抵抗にもならなかった。
いざとなったら、こいつに噛み付いて血を吸えばいい。
血さえ吸えば、力が戻る。
だけれど、こいつからは、思わず顔を顰めるような悪臭がしていた。
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