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俺は、雑種としての自分を疎ましく思って来た。
父が母を愛した様に、愛しい存在を作る事はしない。
母が俺の存在を守る為、他者との交流に神経質になり、それまでに築いた地位もコミュニティも捨て、親しい友人も作らず……阿部園子に出会うまで、本当に孤独だった。
ヴァンパイアのコミュニティの中で生活出来ていたならば、もっと楽に楽しく生きられただろう。
それ以前に、父と出会ってさえいなければ、人の世で平穏な生活を送っていただろう 。
人間なら、異人種間の子供は、混血(混血の程度で表現は変わるが)と言われるところだが、純血至上主義のヴァンパイアからすると、雑種……なんて言われる。
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