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「ねぇ、サチオさん！」
ぬいぐるみキーホルダーを掴んだキミちゃんが腹話術する。口は普通に動いてるけど。
「ふふっ、うん。どうした？」
「大変、大変！電車、あと5分だよ」
「うわっ！い、急げ！！」
慌てて走り出す。
駅裏とは言え、急がないと間に合わない。
バタバタ走る私の後ろを笑顔でついて来るキミちゃん。
案外気付かないなぁ、
楽しそうに呟かれた声は、走る音にかき消されて聞こえなかった。
end
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