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「あと、希望下さい」 サラリーマンは、やっぱりそう言った。 「申し訳ありませんが、当店で希望は取り扱いしておりません」 「…そうですか、ありがとうございました」 ちょっと笑って哀愁のある背中が去って行く。 「やっぱり来たね」 店長がこそっと寄ってきて言う。 「そうですね」 「何しに来てるんだと思う?」 「?買い物ですよね?」 「そうじゃなくて」 「希望が買いたいんでしょう?」 「そんなの売ってないの分かってるのに?」 「だから、ありません、ってお伝えしてるんですけど」 「……」 「……」 「…天然?」 「は?」 「…いや、絶対君目当てだと思うんだけど」 「はぁ。でも、毎日来ますよね?」 「それは君のシフトを知らないからでしょ?レジはいつも君のとこ並ぶよね?」 「まぁ、そうですね」 「狙われてるよ、きっと」 「あ、それ、友人にも言われました。それ、ヤバくない?!しかも、毎日でしょ?!絶対ヤバいよ!!って」 見た目ギャルの友人の真似をして言うと、店長は、一瞬固まった。 「…友人ってギャル?」 「はぁ、そうですが?」 「モノマネ上手かったんだね、びっくりしたよ…」 「ありがとうございます」 まぁ、いざとなったら助けるからね、って言われた。お願いします。
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