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あ、来た。 サラリーマンは、今日もゴミ袋を1つ持ってレジへ並んだ。 特に特徴のない、普通のサラリーマン。 年は…20代半ばくらい? 「あと、希望下さい」 「……」 「……」 「…あの?」 困惑顔だ。 私は、ちょうどお客様が他に並んでいないのを良いことに、話しかける。 「あなたの仰る希望とは何ですか?100万円で買えるものでしょうか?」 「!!」 「……」 「……」 「……」 「…分かりません」 一瞬驚いたサラリーマン。話しかけられるなんて思っていなかったんだろう。 考えた後、途方にくれた顔で答えた。 「はぁ?」 「俺の希望が何なのか、100万で買えるのかも、分かりません」 「そうですか」 「はい…」 「……」 「……」 「…失礼を承知で申します」 「はい」 「ご本人ですら分からないものを、毎日買いにいらっしゃってる訳ですか?」 「そう、ですね」 「あなたに分からないものを、当店で提供出来るはずないと思います」 「…そうですよね。すみませんでした」 しょげて帰って行くサラリーマン。 言い過ぎただろうか? でも、これで来なくなってくれれば幸いだ。
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