運命がカタチとなる

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そんな幸せな日々が、1ヵ月程続いたある日。 洗濯物を庭に干していた僕の前に、突然見知らぬ2人の男が現れたのです。 髪の色が、黒と金の色をした背の高い若い男たちでした。 「おい、緑。やっと見つけたぞ!」 ウェーブがかった金髪の整った顔の男は、僕に向かってそう言いました。 「……え?」 僕に人間の知り合いは、昇瑠さん以外いないので人間違いならぬ鯉のぼり間違いかと思い、戸惑いました。 「緑、あなたは今ここに住んでいるのか?」 黒髪で顔の整った男は、低く優しい声で尋ねました。 「……どちらさまで」 ビクビクしながら、僕は2人が誰なのかを尋ねました。 「おい!ずーっと何十年も一緒のオレ達のこと、たった1ヵ月で忘れたのかよ?」 金髪の男は、すごい迫力で僕へと詰め寄りました。 「ぇ……?」 まさか目の前のこの2人は、かつて僕の両脇にいた2匹のイケメン鯉のぼりではないか、そのような疑惑が一瞬頭に過ぎりました。 その瞬間、家と隣接されている昇瑠さんのアトリエから僕を呼ぶ声がしました。 「はぁーい!今、行きまーす!」 僕は、大きな声でアトリエの方へ動揺を隠して返事をすると、「そういう訳なので……」そう言って軽く会釈をすると逃げるようにその場を離れました。
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