運命がカタチとなる

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すると昇瑠さんは先程とは違い、僕の存在をまるで確かめるかのように上唇を甘噛みしたり、舌同士が絡め合う等の、少しだけ危険で。 でも、とても大切な儀式のような行為を教えてくれたのでした。 「……ンふ」 自然と漏れる声に、僕は思わず赤面してしまいました。 「照れてる緑、可愛いな。誰にも渡したくない……」 絡み合っていた唇を名残惜しそうに離した昇瑠さんは、熱い視線で僕のことを見つめていました。 この時の目は、今でも忘れません。 昇瑠さんは、真剣な表情で続けて僕にこう言いました。 「緑、今すぐお前の全てを俺にくれ」 「ボクの、全て……?」 意味が分からない僕は、きょとんとしながら昇瑠さんに言葉の真意を尋ねました。 「こういうこと、だ」 そう言うと、僕は鯉のぼりの目等を描くための大きな台へと背中を押し付けられました。 これから一体何が始まるのでしょうか。 ドキドキ、と胸が高鳴りましたが、何故だか怖くはなかったのです。 むしろ、その先を知りたい気持ちの方が上回っていたのでした。
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