運命がカタチとなる

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「っ……」 突風で、どこかへ飛ばされた僕は全身に痛みを感じて目が醒めました。 いや、鯉のぼりには元々大きな目が描かれているから、『意識が戻る』の方が適切かもしれませんね。 「大丈夫か?」 黒色と金色とは違う、男の声に僕はハッとしました。 「人間……?!」 「何言ってんだ、お前?」 僕に返された言葉に、「何か言ってるのは、そちらじゃないですか?」そう思った僕の視界に、裸足の2本の足が映りました。 僕、人間に拾われたんだ…… 少しだけ安堵した僕は、声のする方をチラリと見る。 誠実そうな顔の整った30代後半くらいの男性でした。 頭には、白いタオルを巻いており紺色の作務衣を着ていました。 何かの職人さんでしょうか。 優しい瞳で、心配そうに僕を見つめています。 僕たちの無表情なまん丸の瞳とは、違います。 とても暖かさを感じます。 「そんなに大きな瞳で見つめるなよ」 鯉のぼりの目は、いつも大きなまん丸の目です。 見つめるも何も、そう描かれているのでその旨は職人に言って欲しいものです。
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