運命がカタチとなる

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「それより、お前どこから来たんだ?」 「僕、ですか?僕は……」 そう言いかけて、僕の声が相手に聞こえていることに気が付きました。 ……何かがおかしいですね? そう思った僕は、自身の姿を移せるものを探し周囲を見渡しました。 やがて、川の透き通った水に姿が映し出されることを思い出し、近くにあったバケツの水に自らの顔を映すとそこには緑色の髪をした、綺麗な顔立ちの美少年がいました。 「え……?!」 僕は見間違いかと思い、もう一度バケツの中の水を覗き込みました。 そこには、鮮やかではない緑色の鯉のぼりではなく、紛れもない人間の姿をした少年が存在していたのでした。 ……僕、もしかして人間になれたの? 足元からゆっくりと視線を這わせ、下腹部から胸、そして両手。 確かに、人間の身体でした。 幸い、大事な部位には緑色の褌が掛けられていました。鯉のぼりの生地の名残でしょうか。 この者に、僕はつい先程まで“鯉のぼり”でしたなんて言ったところで信用してくれる確率は低いでしょう。
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