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数ある選択肢を選んで辿り着いた、バッドエンドの感覚を受け入れるまで、わたしは何日もかかった。 たった百日。何が出来るって言うんだろう。 死ぬまでにやりたいことは考えれば考えるほど、わたしを押し潰すほどに出てきて、結局は悲しくなるから考えることも止めてしまった。 中学生活を投げ捨てて入院し、窓の向こうに広がる景色を眺めるだけの毎日。わたしの中で唯一の楽しみはお兄ちゃんの見舞いだった。 両親や友達はどこか複雑な表情でわたしと会話するのに、お兄ちゃんだけは純真にわたしと向き合ってくれている。それが何よりの救いだった。 だから今日も、わたしは精一杯に甘えるのだ。いつか甘えられなくなる日が来ることを危惧して。
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