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わたしは泣き出してしまいそうなのを堪えて、
「わたしも百万回生きたいな」
こんなこと言っても、お兄ちゃんを困らせるだけだって分かってる。だけどわたしは、弱い心を吐き出さずにはいられなかった。
それはもちろん、いずれ死ぬのが、怖いから。
お兄ちゃんは言葉を探すようにして視線を彷徨わせてから、
「輪廻転成って上手く行くか分かんないぜ?」
全く予想もしていなかった言葉が飛び出して呆気にとられていると、お兄ちゃんは恥ずかしそうに頭を掻きながら、
「だから、せめて百歳までは生きよう。最近は人生百年時代って言うだろ?そっちの方が確実で堅実な生き方じゃないかな」
「百歳まで生きられるかな」
わたしの弱音にお兄ちゃんはかぶりを振る。
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