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「それで」焼き鳥を一つ咀嚼しながら、
「ナルコの方は仕事順調なの」
「え〜、せっかくの再開で仕事の話するぅ?」
たこわさをもちゃもちゃ食べながら、ナルコが口を尖らせる。
「私はナルコが職につけたこと自体、未だに信じられないんだから」
「真面目にやってますー。あー、サクラにもワタシのOL姿見せてやりたいなあー。バリバリ働いてるんだよ」
その姿が窺えないほど酔っ払ってるんですけど。
「百聞は一見にしかずだね。今度、会社に行っちゃおうかな」
「恥ずかしいからヤダ」
「つい数秒前の発言、忘れてない?」
「ワタシ何か言ったー?」
ゆさゆさと茶色に染めた髪を左右に揺らしながら、随分と腑抜け面を晒すナルコ。一頻り揺れると、行儀悪く箸で唐揚げをつつきながら、
「で、サクラのとこの新人ちゃんはどうなの。名前なんだっけ」
「百瀬だよ。ミスは目立つけど、まあこれからだよ。少なくともナルコよりはマシ」
「モモちゃんにワタシと同じ扱いしちゃダメだよ?これ、親友からのお願い」
モモちゃんって、友達かっ。
「するわけないでしょ。そもそも、気を許した人じゃないとやらないし」
ビールの代わりに烏龍茶で喉を潤す。単純に今日の主催者は私で、運転手をやるからだ。
仕事の話はたったそれだけで、後はどうでも良いような話で盛り上がり、再会を喜ぶ飲み会は終わりを迎えた。
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