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ナルコの話によれば、件の男は名前の通り童心を忘れていないらしい。 例えば駄菓子屋の前にあるカプセルトイに興じたり、美術館なとでn番目の来訪記念を貰うために人をカウントしたり、携帯を持ちながら桜の下を走り回ったりなどである。 とは言ってもほとんどが噂話で、どこまでが事実かは定かではない。 一つ言えることは、ナルコはあんな風に嘘をつくような性格ではないことだ。 とかく、私はナルコと家の方面から校門で別れたあと、最寄りの駅に向かう前に駄菓子屋へと足を延ばすことにした。 気になるものは仕方がない。これは話の真実を調べるためであって、決して興味が増長したわけではない。 「ほんと、素直じゃないなあ……」 こんな姿、ナルコに見られたら絶対に笑われる。
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