結婚相談所を開業できなくなった件

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結婚相談所を開業できなくなった件

 次回に続かなかった。突然の申請却下。  いやもう、なんっでやねん!! 大丈夫って言ったじゃん!! もうあと親会社の書類にサインしたら開業できるところまで来てたのに!!  ショックのあまりここ数日精神が死んでいました。そもそもエブ復帰を考えたのも、こうやって文章で物事をアウトプットする作業が脳に良いって聞いたからなんだよね。  結婚相談所って、いわゆるカウンセリング業とコンサルを足して2で割ったような業務内容だから、行政のルーティンというか思考停止的業務に毒された頭をほぐして、柔らかい思考と言葉を取り戻すのにちょうどいいかなって。  だがその望みは絶たれた!! あーもう公務員辞めてやろうか!! 副業可能な仕事に転職っていうのは割とありかもしれないな。34歳でできるかは別だが。  そんなわけで、いったん彼女の事は一カ月で別れたっていう結論だけ置いとくとして、 1 どうしてこうなった  まぁ、あれですよ。別れた寂しさから、よし婚活しよう! って思って結婚相談所のサイトを開いたんです。ここまではみんなやるでしょう。しかし、そそっかしい私はやらかした。「セミナーの予約はこちら←」っていうのがあって、面白そう! って応募したら婚活じゃなくて開業のセミナーだった!!  あとになって担当から電話がかかってきて内容を聞いて「!?」ってなったけど、私的にもやっぱり面白そうだったのと、私が向こうが求めている人材にマッチしていたのもあって、出席したセミナーから、あれよあれよと開業の話に。 2 いままでの仕事を通して思ったこと。  いわゆる高齢者福祉関係課に5年間いたんです。そこで、高齢者の数を数える仕事をしてました。その5年間で、全人口に占める65歳以上の人の割合が、25パーセントから30パーセントに上昇しました。人口ピラミッドは見事な逆三角形を描いており、これだけでもう未来がないのが分かる。  どうしてこうなった? 子供が生まれない? なんでだよ。結婚しろよ。ああああああもどかしい。 もう結婚適齢期で収入がある男女を勝手に結婚させるシステムがあったらいいのに。  って、ずっと思い続けてきたんです。  それがあった!!!!  経験上、私を含めて未婚の30代にはいくつかの共通点があります。  まず、長らく恋人がいないこと。恋人がいないことに慣れてしまい、一人でいることに心地よさを感じている。仕事も面白くなってくるが、同時に変化を嫌うようになる。恋人という他人が自分のプライベートに深く干渉することについて、違和感を覚えてしまう。  でも、心のどこかでは結婚したいとは思っている。しなければならない、かもしれない。その一方で、恋愛感覚が若いころのままで止まっているから、恋愛したらそれなりに傷ついたり傷つけたりしてしまう。それがもう、この歳になると面倒になってしまう。結局現状維持に甘んじて「まだいいや」に落ち着いてしまう。  まぁ歯に衣着せずに言えば、いわゆる「こじらせてる」ってやつです。  まんま同じことが開業のパンフレットに書いてあったんですね。  あぁもう、これ! ほんっとこれ! 俺もあいつも彼女も彼も、みんっっっっなそう!! ちょっと強めに「こいつと結婚しなさい」て言われたら「え~」とか文句言いつつも「仕方ないかぁ」ってなるやつ。  きっと、かつては「仲人」や「許嫁」と呼ばれるシステムが、年頃になっても相手がいない結婚適齢期の男女を取り持つことでこの問題を解決していたんだと思う。それにより望まぬ結婚を強いられた例もあったとは思うけど、それが廃れて、恥の文化ばかりが肥大化した日本において、欧米式の自由恋愛による結婚だけでは、人口維持に十分な婚姻数を確保できない事実が浮き彫りになった、その結果が30%っていう高齢化率なのだと思うのです。  もう、運命を感じたね。絶対今後の社会に必要になってくるサービスだって思った。親会社の担当者とも馬が合ってさ。副業却下されたからもう意味ないけど。くっそ。 3 独立を考えてから変わったこと。 眠いので次回に続く。
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