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僕はずっと、叫んでいたのかもしれない。
美晴さんと出会うずっと前から。中学生になって、制服が義務化されるようになってから、小さな拒絶感が積もり始めていたのかもしれない。体を丸めて、外に出さないよう、自分のおなかに向かって叫んでいたのかもしれない。
僕は美晴さんに叫び続けた。今までの分をすべて吐き出すように。自分の内側をひっくり返すように。僕自身の耳にも届くように。
僕は初めて、僕の叫びを聞くことができた。
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