藤五郎の恋

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藤五郎の恋

江戸時代、日本橋の呉服問屋伊勢谷の若旦那『藤五郎二十と一歳』世間では堅物と言われて居た。 その堅物が『恋』に陥ったとか! その恋の相手は、あろう事か吉原は大店成瀬屋の太夫『結崎花魁』 そもそもは若旦那衆の集まりにて藤五郎は気がすすまぬ所、仲間内から無理に誘われし登楼せしは良いが、そこで出会得し『結崎花魁』 苦界とは言え、太夫となれば、コレ、大名道具と迄言われし、高値の華! 日本橋、神田界隈の若旦那達とて、太夫を呼ぶのは茶店を通しての初回が生業! 太夫は上座に座り、若旦那衆は下座となれば、藤五郎、結崎太夫の余りの美しさに一変にて恋に落ち候! コレ一目惚れなりしが、あろう事か、結崎太夫も藤五郎を見るなり、恋に陥りたとのこと。 結崎太夫、その場でサラサラと一筆認め禿を通して、帰る藤五郎にソット渡したとの事。 藤五郎、家に帰り結崎太夫の手紙を読みこれ『起請誓紙』と判明せしが藤五郎誠・・・天にも登るが如し夢うつつ! 『起請誓紙・成瀬屋、結崎、来年4月にて年季奉公あけしが、是が非にも、伊勢谷藤五郎様との夫婦の契り、これ相違無きし候成り 安政 六年 己未 吉日成り』 藤五郎は夢を見たる事きなれば、己が頬を叩く始末!     
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