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「野郎ども! 今日も高温多湿な絶好の“カビ化日和”だ!」
金平糖のような形をしたカビの隊長の言葉に、周囲を漂うカビの隊員達は「おー!」と返事をします。
「あとは栄養分のある獲物を見つけるのみ。遠慮はいらん。発見次第どんどん取りつき仲間を増やせ!」
カビ達は風に身を任せあちこちに散らばっていきました。
「隊長! あの中にパンを発見しました!」
「おお、ごちそうだ! 野郎ども! 突撃せよ!」
カビ達は一斉にとある机の中に入っていくと、教科書やノートと一緒に押し込まれている食パンに次々と付着していきます。
「菌糸を射出しろ!」
そして自身の体の一部を糸状にて放出し、他のカビと握手をするように繋がっていきます。
やがて真っ白な生地に青とも緑とも言える毒々しい色が広がっていくのでした。
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