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1話 ガンドラルオンライン
オンラインゲーム、ガンドラルオンライン。
独自ハードとVRシステム、そして独自モバイルの併用でいつでもどこでも遊べるのが売りのゲーム。
さらにゲームでお金、リアルマネーが稼げてしまう。ゲームの中の通貨とリアルマネーが換金できる。
お金が稼げると俄然、現実とのつながりも濃くなってくる。
たとえば通貨どうしの換金。交換レートは随時変動しているのでレートの差額で利益をあげている強者もいる。
またプレイ動画を発信できるので、自身のプレイ動画を発信することで人気を得たキャラクターが、企業とタイアップすることで利益をあげたりと、ふつーに経済活動が行われている。
そして肝心のゲームはというと。
物凄く楽しいと私は思っている。
VRモードは現実かと思うほど、専用のゴーグルの中に広がる世界は現実にしかみえない。
モバイルを使っての位置情報とリンクした現実上でのモンスター討伐は、モバイル上で現実の景色の中にモンスターがいたり、レイドバトルでは戦闘すべてがビルなどに投影され、本物かと思うほどリアルな戦闘が繰り広げられる。
そんな楽しいガンドラルオンラインだが、いくつか変わっている点がある。
ひとつは女性キャラしか魔方が使えないというかなり変わったシステムだ。
しかも魔法ではなく魔方、言い回しまで独特だ。
これは他のゲームでいう職業の差で前衛職が魔方がつかえないだけみたいな、なま易しいレベルではなかった。
ゲーム初期段階ではこの差はありえないほど大きな格差を生んでいた。
このゲーム前衛職も後衛職も魔方を行使して戦う。全ての職において男性キャラは不利な状態にあった。
そんな状態だからサービス開始初期のころは性別格差がありすぎる!
男性不遇がひどすぎる!
などのブーイングの嵐もあった。
だがしかし男性陣はあきらめなかった。
その大きな壁を乗り越えようと頑張った!
結果、現在ではスキルとプレイヤーの操作技術で対等とまではいかなくとも、ある程度戦えるくらいまでにはなっている猛者も現れている。
ではこれだけ女性キャラ優遇のゲームでなぜ男性キャラを使うのかというと、もう一つの変わっている点がかかわってくる。
このゲーム、自身のキャラ作成が完全にゲーム側によって自動で作成されるのだ。
こちらでステータスも顔も体形も性別も種族もなにも選ぶことができない。
プレイヤー情報を登録するとゲーム側が勝手にすべてを作成する。
ゲームとハードの購入時に個人情報を登録。
その情報をもとにゲーム起動時に自動でキャラが作成されてしまう。
まあ簡単に言うと、ほぼ現実の自分をベースにしたキャラが作成される。
したがって男性プレイヤーは、必然的に男性キャラになってしまうということだ。
だからこのゲームをプレイしたい男性プレイヤーは、男性キャラをつかうしかなかったのだ。
そしてこのキャラクター作成時にジョブ(職業)も自動で割り振られる。
このゲームの中での私のジョブはというと。
「家政夫」
よくわからないだろう?
私もいまだによくわからない。
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