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62話
金の回収が終了した。
クリスとレイラさんの協力もあり、各国素直に支払っていただけたようで、そこまで時間もかからなかった。
50億ラル、日本円にして5000億。
とりあえず日々の生活には困らないだろう。
「我が主、これからどうされますか?」
「どうするかねー」
「以前に話していた領地の件も進めてみてはいかがでしょうか?」
「ああ、そういえばそんなことも話してたな」
「クリスさまが当てがあるとのお話でしたので、聞いてみてはいかがでしょうか」
それなりに資金もあるし、街やら国やらを治めていた妻達もいるし、村作りやってみるのも悪くないな。
「そうだな。おーい、クリス、ナディ、レイラさん」
「何ですか旦那さま」
ん?
カシュタンテも一緒に来たな。
「1ラル」
このタイミングでか。
俺いま打ち合わせしようとしてるんだが。
あと、顔にお金グリグリするのやめてくれないかな。
「ヒダリ殿、この間のように座ってくれ」
ナディに言われてカシュタンテを背負ったまま、胡座をかく。
「では失礼して」
レイラさんが胡座の上に座ってきた。
「な、凶壁。そこは我が座ろうとしていたのだぞ」
「あら、そんなの誰がきめたんですか?」
「いま、我が座るためにヒダリ殿にお願いしていたであろう」
「あなたがお願いしていたのは、ここにヒダリ様が座るところまででしょう」
確かにレイラさんの言うとおりだな。
というか狙ってたよな、レイラさん。
「ヒダリ殿なんとか言ってやってくれ」
「ぷ、子ども」
「なんだとカシュタンテ」
いや子どもだろ。
なんで言い負かされて俺にふるんだよ。
「それで、何かありましたか? あなた」
レイラさんはよける気はないのね。
「えーとな。クリス、前に領地の話をしていたのを覚えているか?」
「覚えていますよ。場所の件ですね」
「ああ、それだ」
「ヒダリ殿、どういうことだ?」
ナディ、結局カシュタンテと二人で乗ることにしたのかよ。
「以前にみんなで住むところを考えたときに周囲に多大な迷惑がかかるだろうから、普通の街には住めないなという話をしていてな」
あの時よりもさらに迷惑をかける可能性が高くなってるしな。
「それならいっそ、自分たちで領地を持ってしまった方がいいだろうと」
「ヒダリ様ならそれも問題なくできそうですものね」
レイラさん、ナチュラルにお尻を押し付けてくるね。
「んで、場所に関してはクリスが当てがあるって言っていてな」
「狂竜アスクリスが保証する場所か、それは面白そうだな」
カシュタンテとナディはなんで胸を押し付けてくるのかな?
「さらにナディとレイラさんという国の運営に関わって来た重鎮が二人も妻になってくれたし、資金もそれなりにあるし、やってみようかなと」
「それは……いいな。ヒダリ殿の右腕として凶壁共々協力させてもらうぞ」
真面目な話してるのになんで声に艶があるのかな?
「そうですね。あれだけの資金とヒダリ様達のお力があれば面白い事ができそうですね」
多分いまの会話で目が潤んでるのはおかしいと俺は思うんだけど。
膝の上に1ラル?
今度はクリスなのね。
「おし、二人がそういってくれるならやってみるか。クリス手配を頼む」
「分かりました。といってもなにをする訳でもないのですけどね。旦那さま達をその場所に案内するだけです……」
クリスさん、明らかに声のトーンがおかしいよ。
あともうあからさまに胸押し付けてるよね?
あとカシュタンテ。全く口は開いてないけど、俺の手をどこにもっていってるのかな?
「わかった、よろしく頼む」
こちらの様子を見ていた残りの四人もやってくる。
みんなやる気満々だな。
「ご主人様、頑張って!」
うるさいよ、リシャル。
そもそもどっから出てきたんだよ。
今日は真っ昼間から激闘かぁ……
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