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63話
そろそろ出発できそうかな?
あまり準備に時間がかからないもんなんだな。
領地を経営? するといっても、まずは現地を見てみないことにはなんとも言えんしな。
必要なものなんかはそれからか。
「ねえ、左の字。パポール達とはいつ合流するの?」
「おお、俺も早く会ってみたいぞ」
……覚えてたか。
「主、ランガー達とも合流しなければ」
そっちはもう別にどうでもいい気がするんだよな。
あいつらならどこでも生きていくだろ。
ああ、でも周りにかかる迷惑かからない考えると放置も無理か……
そして厳丈さん、相変わらずの厳ついガタイに猫耳と尻尾だ。
くそ、意識がどうしてもそっちに。
「ん、ああ。悪いそれでなんだっけ?」
「だからパポール達だよ」
耳がピクピク、尻尾がゆらゆら。
くそ、このおっさんわざとやってるのか?
「何とかしないとな」
「本当?」
まじで引っこ抜きたいわ。
なんなんだよこのビジュアル。
見ないようにしてるのに視界に割り込んできやがる。
「ああ、気になってしょうがないからな」
「そこまで気にかけてくれてたんだ。だったらさ、パポール達も一緒に来てもらおうよ」
だが、あれを引っこ抜いたらどうなるんだろうな?
生えてくるのか?
尻尾とか二つに別れそうだなおい。
ダメだな、ビジュアルがさらに大変なことになる。
やはり、耐えるしかないか。
「そうだな、それが無難だろうな」
「ありがとう、左の字」
おおう?
巴が飛んできた。
「ではランガー達と合流した際に、ポタ族にはそのように説明してみましょう」
「ん?」
「ボクたちの所にパポール達にも来てもらうって話だよ。いま左の字がOKをだしたじなゃない」
そんな話していたか?
おっさんの耳と尻尾が気になってほとんど話聞いてなかったわ。
「村長さんよ、なかなか話のわかるやつだな」
「厳丈さん。村長呼びは早すぎますよ。まだなにも始まってないのに」
「まあ、お前さんなら大丈夫だろ。普通に生きていく分にはなんとかできそうだしな。それに巨大国家を作ろうって話じゃないんだろう?」
いやだよ、誰が管理するんだよ。
「ないですよ。問題起こしそうなやつらが住んでもいい場所を作るだけですよ」
ちょっとしたことで、いろんなものを消し炭にしたり、消滅させたりとか、近所どころか街やら国らにまで迷惑かけるからな。
「まあ、そうだな。普通の街にすめる連中じゃないだろうな」
「でしょう」
「いや、しれっと言っているが村長がその筆頭だからな」
「俺?」
「そりゃそうだろう。大艦隊すら瞬殺する奴に誰が法やらなんやら守らせる? 神様にでも出てきてもらうか?」
「セブンは闇の女神様をイチゲキで倒していまシタヨ」
「わはははは、本当か。神さえも瞬殺か。それならなおさらだろう」
確かにそれは盲点だった。
何かあったときに裁けない、止められない住民とか嫌すぎるな。
そう考えると、自分たちで村なりなんなりを作るっていうのは必然なのかね。
「えーと、それでなんだっけか?」
「パポール達のことだよ」
「そうだったな。とにかく来るか来ないかはわからんが、誘うだけ誘ってみるか」
そもそもポタ族について思うところがあるわけじゃないしな。
あいつらなら見てるだけでも和めるしな。
「ありがとー」
巴が飛んでくる。
おお、ここにも和める存在が。
「ふははは、楽しみだな」
くそ、全く和めないやつが視界に。
なんか最後に台無しな気分だよ。
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