SECRET 01

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 ――――――  ――――  壁も床も本当に真っ黒。  アクセントで入る金や銀の太かったり細かったりするラインが、お洒落というべきか悪趣味というべきなのか、私には良く判らない。  照明はシンプルで、これもまた、安っぽいともスタイリッシュとも、どちらとも呼べる印象に思えた。  広い部屋の奥にはキングサイズのベッドが一つ。  シーツは白で、シルクのような手触りの掛布団は黒。  ガラスの壁の向こうにはシャワールームがあって、その先にはジャグジーが見える。  タイルは一見木材のような模様が入っていて、やっぱり黒で統一されていて、――――――もしかすると、一つ一つを見るのではなく、全体の雰囲気が良ければいいのかなと納得した。  トータルコーディネート。  遠目で評価すれば、きっと素敵な部屋だったと称される区分なのかも知れない。  「奮発したな」  「いえ…」  楽しそうに部屋を見て回るサクさんにそう言われて、私は思わず目を逸らす。  ラブホテルなんて私は初めてで、口コミを辿り、最終的にはWeb予約とカード決済が決め手となった部屋だったけれど、確かに値段はシティホテルよりも高かった気がする。  「オレとの時間の為だろ?」     
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