SECRET 01

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 指先が。  男の人の指先が、こんなにも繊細で、そして燃えるような愛撫を与えてくれるなんて、私は知らなかった。  赤い舌が。  ただの舌の筈が、食べ物以外をこんなにも深く激しく()める凶器になるなんて、私は知らなかった。  「だめ、ぁ、ダメ、…サクさ」  追い立てられるように、中に入り込んで暴れる指から逃れようと、腰がベッドから浮いてしまう。  そうして突き出した胸の先に、開かれたサクさんの口が待ってましたとばかりに食らいついてきた。  熱い舌の動きが、振動に近い摩擦で私の敏感な部分を熟れさせていく。  「は…ッ――――――ああッ、はぅ」  喘ぎ声。  私の喉から堪らず漏れるのは、そんな可愛いものじゃない。  「いや、サクさん、だめ、いっちゃ、いっちゃぅ」  まるで水が流れるように、サクさんに呼応しているのは私の中の愛液。  「イケよ、見てるのはオレだけだ、サヤ」  指の激しさとは手法を違えて、優しいキスが胸の膨らみの輪郭をなぞる。  「ゃ、サクさんッ、いく、はぅ、…あ」  中からは灼熱、肌に触れるのは優しさ、そして、止まらない快感に被せて、剥き出しにされた小さな蕾を潰すような強さが、私に何かを開放させる。     
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