-直一の告白-

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 「…高見さんが、正造クンに惹かれる理由がわからない…正造クンが、高見さんに惹かれるのは、例えば、好子ちゃんに似ているからと、考えれば、理解できなくもない…だけど、高見さんが、正造クンのルックスに惹かれたとも、このお屋敷に惹かれたとも、考えられない…失礼ながら、高見さんが、そういうことに惹かれる人間とは、どうしても思えない…」  直一が激白する。  私は、うまいことを言うと思った。  が、ここで、私が、直一に、米倉から、会社の不正をしている人間を探し出してくれと頼まれたことは、口に出せない。  ゆえに、  「…買い被り過ぎです…」  と、答えた。
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