-助け舟-

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-助け舟-

 好子だった。  「…好子さん?…」  と、私が言いかける前に、  直一が、動揺した声で、  「…好子ちゃん…」  と、言った。  明らかに、困惑していた。  「…どうして?…」  と、直一が続けた。  「…トイレに行くって言って、ちっとも、部屋に戻って来ないから、どうしているのかと思って、探しに来たの…」  好子が言う。  直一は、  「…」  と、無言。
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