-助け舟-

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 私は、直一の顔をジッと見た。  明らかに、直一の顔が引きつっていた。  想像以上に、直一が好子を苦手にしているのが、わかる。  それから、好子を見た。  私、同様、小柄で、美しいが、いかにも、性格がきつそうだった。  怒った顔で、直一を睨み付けていた。  「…実は、高見さんと、立ち話に夢中になって…」  「…部屋で、待っている人間の気持ちを考えたことはあるの?…」  と、噛み付かんばかりの表情で、直一に食ってかかる。
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