-助け舟-

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 私の言葉に、  「…お義兄さん…さっさと案内してあげて…」  と、好子が金切り声を上げる。  直一が、  「…高見さん…トイレは、こっちです…」  と、私に言って、私を誘導しようとする。  私は直一の顔を見た。  ホッとした表情だった…  その表情は、まるで、恐妻家の妻から逃げる夫の顔だった…  心底ホッとした表情だった…                 <続く>
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