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口元もそうだが、目が少しも笑っていない…
その白い肌と神経質そうな顔で、私、高見ちづるを、正面から、見据えた。
「…たしかに、高見さんの言うことはわかる…だけど、高見さんは、そういうタイプの女性には、思えない…」
「…そういうタイプって、どういうタイプですか?…」
「…こう言っては、身も蓋もないが、金目当てに、男を選ぶ女性には、見えない…」
直一が、メガネの奥から、真剣な目で、私を見ながら言った。
私は一瞬、どう言い訳しようかと悩んだが、すぐに、
「…それを言えば、直一さんだって、お金で、女性を選ぶ男のひとに見えませんよ…」
と、返した。
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