第一章

10/10
前へ
/75ページ
次へ
「やめ…ッつ、折…はらッ。嫌ッだ」 達したばかりの体に折原の手が這う。 たとえ発情期でもこんな奴の行為に感じていると思われるのは嫌だった。 声を抑えるのに必死になっていると、疼いていたそこに指が触れた。 躊躇うことなく、指が埋め込まれていく…。 初めての行為のはずなのに、あり得ないくらい気持ちいい。 「はぁっ…すげぇ濡れてる…めちゃめちゃ締め付けてくる。 くそ…早く…入れたいッッ。」 完全にトんでいるのか俺の声は耳に入っていないようだった。 そのまま指を増やされて、引き抜かれた。 その代わりに、別の、熱いものが当てられた。 「ッ、くそ、嫌だってんだろ…ぁあッ…やめ…。」 嫌だと言いながら侵入してくるソレを、体は欲していた。 あり得ないほどの快感に体が震える。 折原がさらに深く入ってきて、はずみで近くにあった椅子が倒れた。 大きな音で、折原も少し理性が戻ったように見えたけど、ここまで来て欲望には逆らえない。俺も折原も。 暗く、狭い室内でお互いの息遣いだけが響く。 「俺だって、てめぇと…なんか………はぁッ、締めんなッ。」 至近距離で目が合う。 激しい律動と、理性をわずかに残しながらも体はもう、理性的には動かない。いや動けない…これは本能だ。 「ぁぁああああッ、!」「…ッッく!!」 なんで、なんでよりによってこいつなんかと…。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

514人が本棚に入れています
本棚に追加