第二章

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「お前はどうしてすぐそうやって…、…あ、そういえば薬・・・。」 おそらく抑制剤と避妊薬のことだろう。 「ごめん、俺が飲ませた。また起きた時発情期の症状でたらまずいし。 ……あと、避妊薬も。」 「……ッ。」 それで意味を理解したらしくさらに顔が赤くなる。 俺はなるべく意識しないようにしないと。 「一応体拭いたけど、シャワーも浴びた方がいいかもしれない。立てそうだったら案内する。」 よくわからんけど香椎がすげぇ可愛く見える…。 シャワーをしている着替えを準備する。 とりあえず部屋着と、タオルとパンツは新しいのがあるからそれでいっか。 会社のシャツは洗って乾燥機にかけてるし…。 着替え一式を風呂場の方に持っていく。 そっと脱衣所のドアを開けて 「かし…」 「…ンッ…は、は…ぅ。」 多分、中を綺麗にしている、ってことはわかる。理解できる。 あんだけドロドロだったし。 でも声だけで最中の顔が浮かんで来て、さっきまでの熱がまたぶり返しそうだ。 っていうより、もうしっかり下半身は反応してしまっていた。 音を立てないように着替えだけそこにおいて、トイレに走った。 「マジでどうなってんだよ…俺の体。」 「…シャワー、ありがと。着替えも。」 頭をタオルで拭きながら出てきたけれど、髪からは水滴がぽたぽた落ちている。 「っっ、髪!濡れてる。ちゃんと拭けよ。」 ガシガシそのまま拭いてやると、意外にもそのままじっとしていた。 しっかりしてそうに見えて案外めんどくがりなんだろうか。 「………。」 沈黙が気になってしまう。 「その…体、大丈夫、か?その俺もここまでぶっ飛ぶと思ってなかったから加減出来なかったっぽくて…切れたりとか痛みとかない?」 その瞬間、びくっと肩が震えた。 「あ、あぁ問題ない。」 返ってきたのはそれだけ。 でも耳まで真っ赤だけど…。 そういえばこいつって誰かと出来てるとかって噂聞いたことないな。 大学時代も土生とほとんど一緒って言ってたし。 もしかして処女とか・・?いや男に処女ってなんだよ…まぁでもΩだったらそうなるのか。 「しんどかったら明日、会社休めよ?言っとくし。」 その瞬間、すごい勢いで振り向いた。 「大丈夫だっての。女じゃないし、気持ち悪いこと言ってんなよ。 仕事は仕事。お前明日プレゼンするんだろ。 何のために昨日資料仕上げたと思ってんだよ。」 「ははっ…そうだった。お前ってそんな奴だったな。」 「…なんだよ、バカにしてんの?」 いつもだったらカチンとくる言葉もなんだか今日は許せてしまう。
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