第三章

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眼を覚ますと、 心配そうに俺を見ていた折原と目があった。 あんなことになって、自分のマンションに連れてきたのか…。 というか…一応こいつは被害者…だよな。 だって俺が発情さえしなかったらヒート起こしてなかっただろうし。 謝ると、意外にも快く許してくれた。 …つか、なんか会社ではいつも言い合いとかでしか絡まないから、普通に話すのが難しい。 シャワーを勧められた理由がわかった。ドロドロと垂れてくる液体。 シャワーを浴びながら、中を洗おうとするけどうまくできない。 体自体もまだ敏感で、自分の指なのに息が上がってしまう。 ここに…入ってたんだよな。 …ほとんど覚えてはいないけど、俺も夢中でアイツを求めていた気がする。 誰かとこういうことをしたのは初めてで、頭が混乱している。 皆は当たり前にこういうことをしてんだよな…。 初めてとかって知られたら絶対バカにされそう…。 ため息をつきながらシャワーで洗い流していると少しづつ冷静になってきた。 今回のことはアクシデントみたいなもんだ。 でも念のため、今回の発情期の期間と次の時は抑制剤飲む量を増やした方がよさそうだな。 「髪…濡れてる。」 そういって俺の頭をガシガシと拭く。 …なんか意外と世話焼きなんだな、こいつ。 とりあえず世話になっている身だしされるがままだけど、なんか恥ずかしくなってきた。 女遊びの多いこいつにとってはこれが普通なのは分かっているけど。 こいつの匂いは嫌いじゃない自分がいて…ほろ酔いのようなふわふわした感じ。 Ωがαとしたら、誰でもこんな風になるんだろうか。
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