第七章

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「…あのさ、手伝ってくれるのはすごーく有難いんだけどさ。 その…なんで、そんな恰好な訳?」 折原がそういうのも仕方ない。 利き手骨折のため、風呂などが難しいから俺が手伝うんだけど、どうしてもズボン濡れてしまうし、今日は丈の長いTシャツだから良いだろうと思って、ズボンだけ脱ぐことにした。 「え?…や、だってぬれるじゃん。」 「…マジか。人がどんだけ………。はぁ、じゃ、頼むわ。」 頭を抱える折原の言っている意味が分からず頭を洗う。 こいつ、髪結構しっかりしてんだな。つやつやだし。 俺はどっちかっていうと猫っ毛っぽいからなんか変な感じ。 っていうかこいつが俺にされるがままなのってなんか新鮮すぎる。 ガシガシ頭を洗って流す。 「じゃ、次体な。背中洗うから。」 そっと背中に触れると少しびくっとした気がしたけれど、大人しくしている。 段々前に体は逃げてきているけど。もしかして人にされるとくすぐったいとか? …じゃあ、前はさすがに自分でするよな。 「はい、オッケー。前は自分でした方がいいだろ?…ん?どした?」 完全に前かがみになっている折原を不審に思って声を掛けると 「…った。」 「ん?」 真っ赤になった折原が俺の方を見て 「だから!勃ったんだっつーの!」 ようやく不審な動きの意味を理解したけれど、俺は触っていないし何もしていないけど。 「…なんで?」 溜まってた、とか? ま、とりあえず出て言った方がいいんだろう。 そう思って立ち上がると、手を取られた。 「香椎、お前なぁ…少しが自覚しろよ。付き合ってる相手にそんな恰好で頭触られてみろ。目に毒だろーが。…責任、とれ。」 …あ。そうか、座っている折原の前で立ったまま髪を洗っているから、目の前にはむき出しの足があるわけで……でも俺男だけど。 それに…責任ってナニ? 「え…その、責任って…。」 「そんなビクビクしなくてもしねーよ。片手じゃ出来ないし。 俺も利き手使えないから、、、、抜くの手伝って。」 掴まれた手に誘導されると、熱いモノに手が触れた。 「……っっ!」 俺のとは大きさも形も何もかも違う。 人のなんてしたことないし、どうすればいいかわからない。 石鹸もついていて滑りが良いせいか、ぬるぬるした感触と、水音が響く。 「香椎が、いつも自分でシてるみたいにして。」 吐息交じりの声で言われると、腰のあたりがぞくっとする。 正面から、ゆるゆると触ると、だんだん折原の息が上がってきた。 「…っはぁ、きもち、イイ。…香椎ココ、好きなんだ?ココよくさわるよな。」 「う、うるさいな…。お前だって同じ男なんだから、イイ場所は同じだろ。」 そうだな、と笑いながら俺の手に自分の手を上から重ねる。 「でも俺は…こうやってもう少し強く握ってっ…されんのがッ…はぁ…っキモチイイ。」 ぎゅっと上から重ねられた手に力がこもり、中心を擦る。
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