第七章

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「…あーやべぇ、そろそろイキそうかも。」 激しく動く手に腰を押し付けるようにしてくる。 それだけでも卑猥なのに折原としているような錯覚が起きる。 さっきよりも明らかに大きくなってるし…。 コレが俺に入ったりしてたんだと思うと、とても信じられない。 「なぁ、イッて、いい?」 なんとか俺が頷くと、力を込めた折原の腕が上下して小さな呻き声と共に白濁が飛んだ。 ・・・・・・・・・・・。 この状況、非常に気まずいんですが…。 「…あの、だ、大丈夫?なんかごめん。」 折原は恥ずかしいのか真っ赤な顔で 「や、俺こそ悪い。」 なんか、以前とは流れる空気が違って戸惑ってしまう。 「じゃ、おやすみ。」 といっても…寝る場所がベッドしかなく、俺は床でいいっつったのに。 双方譲らず、結局二人ともベッドで寝る、ということになってしまった。 男二人でベッドはキツいだろ…どう考えても。 少しでも寝返りをうったりすると触れてしまう距離で息遣いだってわかる。 …俺、寝れるかな。 こうやって誰かと寝るなんて無かったから、人の体温が近くにあるって安心するんだって初めて知った。 「…こっち、向けよ。」 暗い中で折原の声が響いた。 体の向きを変えると、暗闇に慣れてきて折原と眼が合った。 「……近い、んだけど。」 「仕方ないだろ。…抱きしめてもいい?」 俺の返事がない事をOKととったのか、優しく抱きしめてきた。 折原の匂いに包まれる。 「俺の家の匂いがする。…でも、香椎の匂いもする。」 スンっと鼻を鳴らして、俺の髪や首筋に鼻を寄せる。 「そ、そりゃ、そうだろ…同じ石鹸使ってるんだし。」 何か同じ匂いをまとっているって恥ずかしいんだけど。 自分の匂いなんて普段自覚しないし。 密着した体から伝わる体温や、聞こえる鼓動が心地よくて、そのまま眠りについた。 今まではドキドキしていることが多かったけど、こうやって誰かとくっついて安心するっていう感覚は初めてで…いつの間にか眠りについていた。
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