第八章

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今更そこ? 二回目は普通の状態だったじゃん! つーか…引くとかありえないだろ。 え、俺そんな風に思われる態度とってた? いや!絶対してない。 「なんか、スゲー深刻に考えてた俺がバカみたいじゃん。 …あのさぁ、俺は一緒に暮らしてただけでも、ムラムラしてんの。 男とか女とか関係ないし。まぁ元々男とはそういう関係になることもなかったし、興味はなかったけど。 でもそれは香椎以外の男には興味ないってことで、その…香椎は特別だから。」 本当に俺の気持ちとかちゃんと伝わってんのかな。 香椎はわかった、ごめんってそれだけ言ってうつむいてしまった。 「キス、しよ。」 自然に口から思っていた言葉が出てしまって、うつむいた香椎の顔を上に盛り上げるようにキスをした。 「なんか、変…。お前にそんなこと言われてうれしいとか。」 そういって、初めて俺は香椎の笑顔を見た。 花が咲いたように笑う顔は、穏やかでかわいらしくて綺麗で。 前に土生が言っていた可愛いって騒がれるのもわかる気がした。 「香椎、…好き。」
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