第九章

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「力、抜いて…。」 少しづつ押し入ってくるモノは熱くて、さっきまでとは違う圧迫感がある。 「あぁあッ…!」 「…っ大丈夫?」 折原もつらい筈なのに、俺のことを気にかけてくれている。 …マジ、こんな時にやさしさ発揮すんなよ。 なんか愛しいって気持ちがあふれてきちゃうじゃんか。 「だ、いじょう、ぶだから。……来て。」 「っく、ちょ、マジ煽んないで。…っん!」 ぐっと押し入ってきた質量はお腹を圧迫して苦しいのに、満たされるような変な感覚。 「入った。」 そういって、俺を労わるように後ろからキスをしてくる。 なんか…愛されてるなんて思うのは自意識過剰なのかもしれないけど嬉しい。 「あっ!そ、そこ…ばっかしたら…ッ。」 俺のイイ場所を覚えているのか、感じる部分へ腰を押し付ける。 折原の呼吸も荒くて、気持ちいいのか眉間に皺を寄せてるから、なんだか余計に興奮する。 「…ッん、折、はら…ぁ、だめ…ま、また…でそッ、。」 自分の意志とは裏腹に腰がうねって、求めているみたいで恥ずかしい。 だけど奥が熱くて熱くて、溶けだしそう。 イク?と囁いた折原の腰の動きが早まって、俺はまたそのまま果ててしまった。 それと同時に、お腹の中で熱が弾けた。 「…ナカ、あっつい。」 「……ッ。」 そういうと、ナカにいた折原自身がまた硬度を持つ。 「…あ、え?」 「…や、今のは香椎が悪いから。っていうかちょっとこのままでいさせて。」 後ろから抱きしめられたまま、折原も動かない。 イイ、匂い。 こいつの匂い、なんかくらくらする。 そう思った時。 「…いい匂いがする。」 そういったのは折原。 後ろから首筋をスンスンと嗅がれる。 鼻を寄せて、肩をペロッと舐める。 それだけなのに、敏感になっている体はびくっと反応してしまう。 「…なんか、匂い濃くなった?」 密着していた体を起こして自身を引き抜くと、後ろからドロッと液体が流れ出た。 その瞬間、全身が脈を打つ。 体温が上がるように熱い。 「香椎、もしかして……。」 ………これ、発情期。
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