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ホテルの部屋
山本は小百合に
『お酒は飲まないんですか?』
小百合は
『ええ、私はお酒もタバコもやりませんわ。』
山本は
『何かご趣味は?先に自分は海外の道路をドライブで運転する事ですかね。つい先日もイタリアをドライブしてきました。』
小百合は
『ステキなご趣味ですわね。私の趣味はお茶とお花です。』
山本は感心した様子で
『ほう、花道と茶道ですか。女性らしい趣味ですね。』
やばい、私、茶道も花道もやった事ないのに………山本さん 本気で信じちゃってる………
まぁ、いっか。あとで覚えれば大丈夫でしょ。
山本は
『今度、貴女のお花を私の家に飾らせて下さい。』
小百合は
『はい、もちろん良いですよ。』
山本は
『約束ですよ。私も貴女を海外のドライブに誘いますので、一緒に。』
小百合は
『海外でのドライブに誘って頂けるなんて光栄ですわ………』
今回の占い、本物だわ………
これはひょっとしてひょっとするかも〜
ついに私にも春が来たのね………
ずっと玉の輿を狙ってきて………
本当に長かったわ………
山本は小百合を見て
『どうされたのですか?大丈夫ですか?』
小百合は慌てて
『い、いえ、何でもありませんわ………』
コンコン………
誰かがドアをノックした。
山本は玄関の方面を見ながら
『誰だろ?ノックしたのは?』
『ホテルのボーイです。軽食を頼まれたのでお持ちしました。』
山本は立ち上がり小百合に
『軽食なんて頼んでないぞ。部屋間違ってる。すみません、ボーイに伝えて来ます。』
小百合はにっこり笑って
『はい、わかりました。すみません、トイレを貸して頂けないでしょうか?』
山本は笑顔で
『洗面室の隣にあります。私はボーイに言って来ます。』
山本は部屋の出入口に向かい、小百合はトイレに入った。
…………
小百合がトイレから出て洗面室で手を洗って部屋に戻ると………
『山本さん?』
小百合が部屋を見渡すと山本の姿は無く
『山本さん?あれ、居ない………』
まだボーイさんと話をしてるのかな?
『山………』
バキッッッ………
『えっ?何 今の衝撃………?誰、私の頭を………あれ? 力が抜けちゃう………』
バタッッッ………
……………
大丈夫ですか………
大丈夫ですか………
何? 私どうしちゃったの?
早坂さん、大丈夫ですか………
誰かが私を呼んでる………?
鴨川警察署の大門です………早坂さん、大丈夫ですかっっっ!!早坂さんっっっ!!起きて下さい!!
えっ?この声、大門君?
『わ………私 どうしちゃったの? 大門君がな、なぜここに?』
小百合は目を覚ましたと同時に周りを眺めると………
『えっ………キャアアアァァァ………』
小百合は目の前の信じられない光景に悲鳴をあげ気を失った。
大門は小百合がまた気を失った事に慌てて
『早坂さん、早坂さんっ、早坂さんっ………!!』
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