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鑑識課
結城は事件の報告書を片手に
『相手の身長は180だろ。早坂さんが150ぐらい。ナイフを刺した角度と刺さった深さ………で、早坂さんの力………って、これは確実に早坂さんじゃ無理だろ。早坂さんの身長から、背中の傷までの距離で、腕を伸ばせば、力は入らないし、ここまでナイフが刺さらないだろ。』
大門も事件の報告書を確認し
『確かに無理かもしれませんね。しかし中腰になってたら………』
結城は
『中腰………中腰ね………ナイフには早坂さんの指紋しかなかったんだな。早坂さんをここに呼ぶよ。早坂さんを見たけど、ちょっと気になる事がある。』
……………
結城は携帯電話で敬子と小百合を鑑識課まで呼んだ。
結城は小百合に
『ここに立ってくれる。』
小百合は結城に言われるがままに
『こんな感じ?』
結城は身長180ある警官に中腰になってもらい、小百合にオモチャのナイフを持たせ
『早坂さん、ごめんね。これは無実を証明させる為だから。』
小百合は
『うん、わかった。私は大丈夫だよ。』
結城は
『相手を中腰の状態で刺した場合………大門、これおかしいだろ。』
大門は
『それ、自分も思いました。』
敬子は
『何がおかしいの?』
結城は
『何がおかしいって、早坂さんに質問。もちろん婚活パーティーから全然着替えてないよね。』
小百合は
『うん、婚活パーティーのままだよ。』
結城は
『相手を刺した時の血しぶきを考えるとね………』
敬子は
『何かおかしいの?』
大門は
『相手を刺した時の血しぶきが壁に付着してたんですがその血しぶきの飛び方が、早坂さんの着てる服に付着の仕方がおかしいんです。』
結城は
『付着してる血痕が少ないし、付着の仕方がおかしいんだよ。ってか、ほとんど血痕が付着してない。』
結城はホテルの部屋の間取り図を広げて
『早坂さんはどこで殴られた?』
小百合は
『トイレから出て来て………この、辺りかな。相手の男性が居なくて、出入口のドアでまだボーイさんと話しをしてるのかなって思った時に、後ろから………』
結城は
『大門に起こされた時に、相手の男性が早坂さんに背中を向けて倒れてたって事だね。』
大門は
『しかし、早坂さんが倒れてた場所が部屋の出入口付近なんです。』
結城は
『犯人が、最初の男性、山本一生を殺害して、早坂さんを殴って気絶させた後に、ここまで運んだ。が、自然だろ。しかし、通報者は?誰が最初に気がついたんだ?ホテル関係者か?』
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